NPO法人ホザナ・ハウスは、キリスト教の精神に基づき、さまざまな事情により行き場を失った少年たちや、障がいのある大人や子どもたちに対して支援を行っている組織です。この団体の目的は、先に述べた方々が社会から排除されることなく、すべての人が尊重される共生社会の実現に貢献することです。
行き場を失った子どもたちには自立援助ホームを運営することで、少年たちの社会へのスムーズな移行を支援し、自立した生活を送るための具体的なスキルや知識を身につける機会を提供しています。
障がいのある子どもたちには、児童発達支援や放課後等デイサービスを通じて自己実現を図れるようサポートを行い、成人に対しては就労継続支援B型作業所での活動を通じて、働く喜びと自立を促しています。
また、共同生活援助や地域活動支援センターの運営を通じて、障がいのある人々が地域社会で安心して暮らせるよう日常生活の支援や社会参加の機会を提供しています。
これらの取り組みにより、一人ひとりが充実した人生を送るための重要な手助けを行っています。ホザナ・ハウスは、それぞれのニーズに応じた支援を提供することで、誰もが社会の中で尊重され、自分らしく生きることができる社会の実現を目指しています。
NPO法人ホザナ・ハウスは、2010年に『J.J.W.M.神戸弟子教会』の有志が集まり、犯罪に手を染めた少年たちや行き場を失った少年たちの自立支援のために設立されました。その少年たちの養育環境は劣悪で、虐待等で後天的な障害を負わされた社会的弱者なのです。
少年たちの中には矯正施設で一定期間矯正教育を受けた後に、帰住地のない少年がいます。彼、彼女らは退院ができても何の公的支援制度もないために自立はきわめて困難で、結果的に再度犯罪に巻き込まれるケースも多々あります。また、児童養護施設においても18歳を過ぎると公的支援がなくなり、いきなり自立を迫られます。そのような生活力のない少年が1人で生きていくのは困難が伴います。
ホザナ・ハウスの使命は現在の公的支援制度の空白部分でさまよう少年たちに寄り添い、社会的擁護を受けることができない少年たちに居場所や食事を提供することです。また、愛をもって少年たちの心の傷を癒し、自立を促すことです。
自立支援活動を通して子どもの権利条約第20条『家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する』という理念を実現すること、及び将来起こりうる犯罪と被害者を減少させ、社会的に排除された弱者である少年たちを包摂する共生社会をつくることが団体の使命です。
NPO法人ホザナ・ハウスは、愛情と尊厳を持って支援活動を行い、大人も子どもも含めたすべての人々の自立と幸せを追求する場となっています。
子どもたちの未来のために「すべての子どもに幸せになる権利がある。」
ホザナ・ハウスには児童相談所、家庭裁判所や保護観察所などから非行や要養護の少年たちが来ます。
彼らのうち多くが虐待経験をもち、女子にあっては性的虐待を経験している子もいます。
全員「大人不信」で100%愛情不足の状態でやってきます。
家庭の愛に恵まれなかった彼らには多くの関係機関が関わりを持ちます。
しかし、関係機関は相談や支援をするだけでなく、場合によっては身柄の拘束といった実力行使をすることもあります。
それは仕方のないことですが、すべてを大人が決めて子どもの意見は何も聞かない、結果は同じであっても子どもだからという理由だけで、意見を聞かずに上から押し付ける行為は子どもたちの居場所を奪う結果になります。
彼らには同じ目線の関係づくり、「見守ること」や「聞くこと」が必要です。
ホザナ・ハウスでは子どもたちを縛るルールを作っていません。
身の回りのことはスタッフが行い、特別な指導もしません。
その代わりにスキンシップの時間を多くとり、沢山の話を聞くことが大切だと考えています。
信頼関係の構築によって子どもたちは心を開き素直になって、自分の幸せのために歩みだすのです。